設  立  趣  旨  書

 

 常時、全介助、吸引・経管栄養等の医療的ケアが必要で、言語によるコミュニケーションが困難な重症心身障害児・者の自立を支援する社会資源がまだ充実していないために、本人の希望する暮らしが叶えられない現実があります。

 人は、ひとりで何もかも出来るわけではありません。私自身も、ひとりで子育てをしてきたわけではなく、たくさんの人達に支えられ、応援してもらい、力になってくれる人達が、今でもいるからこそ、こうして生きていられます。自立をするとは、支えになってくれる人達が回りにいるということでもあり、重い障害があっても支援によって、自立できるのだと思います。私自身が支えてもらっているように、私達は支え合っています。そして、自立とは、心の自由であり、自分のおもいを大切にすること。当事者のおもい描く暮らしにおいては、選択肢がまだ充分ではなく、本人のおもいが埋もれてしまっているかもしれません。私達が普通に暮らしている、普通の暮らしを重い障害のある人が叶えるには、まだ開拓の必要性があります。自分自身の人生を歩くための支援があり、支援者がいれば、普通に地域で暮らすことができます。

24時間支える制度、障害福祉サービスとして「重度訪問介護」という障害者の在宅支援サービスがあっても、行なっている事業所がまだ足りません。「重度訪問介護」というサービスは、身体介護、コミュニケーションの介助、外出同行、家事、見守りなど、自立支援のための日常生活における多様性に応じた長時間の介護サービスです。

又、将来の生活に希望が持てるように、重い障害のある子ども達や家族への支えも必要です。

 事業所、介助者不足は、社会的課題になっています。支援を受ける側も支援者も、そして、その周りを囲む人達もしあわせになることが、私達の望む社会です。

 

◎重い障害があっても、本人のおもいを中心に支援することを軸とし、本人の視点に立つことを大切にした、年齢に合った暮らし・経験ができるような介助と医療的ケアのサポートができる事業、自立を支援する事業を目指します。自立することにより、ひとり暮らしであったり、ルームメイトと暮らしたり、生活の選択肢が増え、行動範囲が広がります。願いやおもいを、地域での暮らしの中で実現し、社会づくりの一員として参加できる支援と、新たな楽しみや経験にチャレンジすることも応援します。

◎本人のおもいに沿った生活を支えるために、福祉・医療・行政・多職種・地域の人々と協力することを大切にしながら、医療的ケアや移動等の課題の解決も目指します。

 

重い障害があっても、一人ひとりのおもいが大切にされ、地域で暮らし続けることができる事業を行うことによって、障害者も、高齢者も、あかちゃんも子どもも、若者も、すべての人が、共に生きる社会=共生社会の実現に寄与します。

この目的のために、特定非営利活動法人ケアサポート紬つむぎを設立します。

 

    平成29年 1月 25日

法人の名称 特定非営利活動法人ケアサポート紬

 

*ケアサポート紬つむぎは、 人とつながりながらも(糸)、自由であり(由)、自由でありながらも、つながっている社会を目指します。そして「紬つむぎ」には、夢や希望をつむぎたいという願いがこめられています。